MRI検査
MRIとCTの違いについて
脳神経外科の検査というと、多くの方がMRIやCTをイメージされると思います。
当院でもそういった検査機器を用いて患者さんの脳内の状態を詳しく検査し、病気の早期発見・早期治療に努めています。
MRIとCTは見た目が似ていることからその違いを詳しく知る方は少ないかもしれませんが、実はこの二つにはさまざまな違いがあるのです。
MRIの特徴
MRIは磁場や電波を使用して検査を行います。
検査時間はCTよりも長く、20分ほどかかります。
メリットとしては放射線による被ばく量が少ないこと、頭部や関節組織の状態を調べやすいことなどが挙げられます。
デメリットとしては検査中の音が大きいこと、ペースメーカーなどの金属が体内にある場合に使用できないことがあります。
CTの特徴
CTは、放射線を使用して検査を行います。
検査時間は10分程度で、騒音や閉塞感はMRIよりも少ないため患者さんが受けやすい検査と言えるでしょう。
骨や内臓の内側の状態まで確認できること、基本的に金属が体内にあっても使用できることなどがメリットとして挙げられますが、MRIと比べると脳の組織の変化がわかりづらい、少量ではありますが被ばくのリスクというデメリットがあります。
MRI検査でわかること
MRI検査は、さまざまな分野の検査で用いられます。
脳神経外科では主に脳腫瘍や脳梗塞、脳出血といった病気の早期発見に活用しています。
病気の有無はもちろん、その大きさや発症時期まで推測できるため、より迅速で適切な治療を行うために必要な検査機器です。
MRI検査が受けられない方、受けられない場合がある方
MRI検査が受けられない方
以下の内容に該当される患者さんは、MRIを使用しての検査を行うことが難しくなります。
その場合、CTなど他の方法を用いて検査をいたしますので、事前にお申し出くださいませ。
- 心臓にペースメーカーを使用している方
- 人工内耳や人工中耳を使用している方
- 脳深部刺激装置を使用している方
- 入れ墨やタトゥーなど、アートメイクをされている方
- 閉所恐怖症などMRI内に入ることが難しい方
検査が受けられない可能性がある方
以下の場合、患者さんの状況によってMRI検査がリスクになると判断されるケースがあります。
- 脳動脈瘤の手術を受けたことがある方
- 骨折の治療で金属が体内に入っている方
- 人工心臓弁の手術を受けた経験のある方
- 妊娠中の方および妊娠の可能性がある女性
- 金属を用いるお仕事をされている方(金属片の飛散リスクがある現場など)
- 内視鏡手術を受けられたことがある方
MRI検査のよくある質問
MRI検査は痛くないですか?
狭いところが苦手な方や大きな音が苦手な方は負担を感じるかもしれませんが、検査で痛みや熱を感じることは基本的にありません。
MRI検査は、どのような格好が望ましいですか?
一般的には金属の装飾が一切なく、着替えやすいお洋服を推奨しています。
当院では検査用の衣服をご用意していますので、事前にお着替えをお願いいたします。
眼鏡やコンタクトレンズなど、外した方がいいものはありますか?
金属を使用しているものは全て外していただく必要があります。
眼鏡はもちろん、コンタクトレンズやアクセサリー類、お化粧やネイルも落としていただくことが望ましいでしょう。
ペースメーカーがあるとMRI検査を受けられないのはなぜですか?
MRIは磁場を用いて検査を行うため、万が一にもペースメーカーを破損させてしまう可能性があってはならないという理由から、心臓などのペースメーカーを使用されている方へはMRI検査を行わないことになっています。
食事制限や持病の薬の制限などはありますか?
腹部などの検査においては食事制限を設けることもありますが、頭部の検査ではそういった制限はないことがほとんどです。
お薬などの服用に関しては事前にご相談いただけたらと思います。