よく物を忘れる
もの忘れと認知症の違い
患者さんの中には、もの忘れ=認知症だと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、もの忘れは、どんな方でも一度は経験があるのではないでしょうか。
実は、もの忘れと認知症の違いは「そこ」にあります。
「忘れた記憶」があるか無いか
ただのもの忘れと認知症によるもの忘れの大きな違いは「忘れたことを自覚しているか」という点です。
例えば、老化などによるもの忘れは「買おうと思ったものをうっかり買い忘れてしまい、帰ってきてから気がついた」「ものをしまったのに、場所を忘れてしまった」「忘れていた用事を後から思い出した」というケースが多い一方で、認知症のもの忘れは「同じものを何度も買ってしまう」「ものをしまったことさえ覚えていない」「用事があったことも忘れている」といった違いがあります。
もの忘れでよくみられる症状
もの忘れがひどくなる原因は、認知症や老化現象とは限りません。
患者さんによってさまざまな要因が考えられますので、治療が必要な場合は早い段階で医師に相談して改善に努めていきましょう。
軽度認知障害の可能性
認知症の前段階でもある軽度認知障害は、日常生活でさほど支障を来たすことがないため、早期発見が難しい症状でもあります。
認知症になる前にしっかりと予防を行っていきましょう。
高次脳機能障害によって起こるもの忘れ
病気や怪我の後遺症が残り、忘れっぽくなってしまうことがあります。
特に脳卒中ではもの忘れの後遺症が残りやすい傾向が見られます。
自律神経失調症の症状
疲労やストレス、更年期障害で起こる自律神経失調症は、もの忘れや情緒不安定などの症状が見られることがあります。
うつ病による症状
うつ病になると、新しいことを覚える機能が低下したり、見聞きした内容が頭に入ってこなくなったり、忘れっぽくなったと感じることがあります。
脳疾患の影響によるもの忘れ
脳腫瘍など脳疾患のサインとして、急に物忘れがひどくなることがあります。
できるだけ早めに受診をして病気の早期発見に繋げていきましょう。